circulation 高血圧・循環器内科

高血圧

動脈の圧力が継続的に異常に高くなってしまう病気です。
高血圧症は、脳浮腫、脳出血、クモ膜下出血、脳梗塞、心肥大、心不全、腎硬化症、大動脈解離などの様々な合併症につながることがあります。
治療方法は、非薬物療法と薬物療法があります。

ひとくちに血圧が高いといっても、塩分の摂りすぎや体重の増加などによる生活習慣病としての高血圧だけでなく、二次性高血圧と言われるホルモンの分泌異常によるもの、常用している薬剤によるもの、睡眠時無呼吸症候群や腎臓の血管の狭窄など原因は様々です。塩分に気をつけて薬を服用しても血圧が下がりにくい方はご相談ください。

塩分の摂りすぎがあるかはとても大事ですが、なかなか患者さん自身では塩分を摂り過ぎているか判断が難しいことが多いため、当院では尿検査による1日の塩分摂取量の推定をはじめ、生活習慣に修正が必要なところがあるかどうかを患者さんと確認しながら診療をすすめています。

また現在は高齢化社会の影響もあり、血圧の治療を頑張って継続し脳卒中や心臓病を起こさずに経過されているものの、高血圧により徐々に腎臓が負担を受け糖尿病と同様に慢性腎臓病をきたす方が増加しています。腎不全への進展を予防するためにもただ薬をお渡しするだけではない治療を心がけています。

循環器内科

心不全

当院では主に、高血圧、心房細動といった不整脈、陳旧性心筋梗塞、弁膜症などが原因の慢性心不全の方に継続管理を行っていますが、急性増悪により酸素投与が必要になった場合や集中治療が必要な急性心不全の場合には、速やかに連携医療機関の専門病院、大学病院へ紹介致します。

心臓弁膜症

心臓には二つの室(右心室、左心室)と二つの房(右心房、左心房)があり、それぞれには血の逆流を防ぐための弁がついています。
弁が何らかの理由で正常に機能しなくなると、息が苦しくなったり、疲れやすくなるほか、最悪の場合には死に至るケースもあります。
治療法は、症状によって薬物治療と手術があります。

虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)

虚血(きょけつ)とは、心臓に十分な量の血液が送られない状態のことです。
心筋梗塞と狭心症をまとめて虚血性心疾患と言います。

心筋梗塞

心臓は365日24時間、絶えずポンプとして動き続け、身体中に血液を送り出し続けています。
この心臓の細胞に栄養と酸素を送り届けているのが冠動脈です。

冠動脈血管に血栓が生じ詰まってしまうと心臓の細胞が酸素不足で壊死してしまいます。 この症状を心筋梗塞と言います。心筋梗塞は重症の場合、死に至ることもあります。

狭心症

狭心症とは、冠動脈血管の中に生じたプラーク(コレステロールの塊)が原因で血管が狭くなり、 心臓に送られる血の量が一時的に不足してしまう病気のことです。

重いものを持ち上げた時、運動をした時、駅の階段を登った時などに突然胸が痛くなることがありますが、 これが狭心症です。これらの症状は一過性のものでしばらくすると症状がなくなります。

不整脈(特に心房細動について)

心房細動は、心臓の4つの部屋のうち、上2つの「心房」と呼ばれる肺や体から戻ってきた血液を貯めるタンクの役割を果たしている部屋の電気信号が乱れる病気であり、不整脈の一種です。治療が必要な対象となる不整脈として最も多いものになります。
心臓は通常、心臓内で生み出される電気信号によって規則正しく動くようにコントロールされタンクである心房から下二つの心臓の部屋のポンプである心室に血液が移動し、全身や肺に血液が効率よく送られています。しかし、心房細動が生じると心房がけいれんしたように震えてしまい(細かく動く≒震え)、脈が不規則に速くなってしまうのです。
心房細動に罹ると、動悸・めまい・息苦しさ・脱力感・胸部不快感などが症状として現れますが、中には無自覚の方も多く、約50%の方は無自覚であると言われています。

発症する理由として、高血圧、糖尿病の方、飲酒量が多いなどの生活習慣、加齢など様々な要因が指摘されています。
しかし、心房細動は放置していると、血栓ができやすく、その血栓が脳の血管を塞いでしまうと脳梗塞を発症します。健康診断などで不整脈を指摘されても自覚症状が無い場合、放置してしまう方もいますが、不整脈が原因で別の病気を発症することもあるため、「自覚症状がないから」「医療機関への受診が面倒だから」と再検査を先延ばしにするのはお勧めできません。

また脈が不規則に早くなることにより心臓から拍出される量が減りやすくなり弁膜症の併発や悪化などとともにうっ血性心不全を起こしやすくなります。
さらに、心房細動は発作持続時間によって、「発作性」「持続性」「長期持続性」の3種類に分けられます。心房細動の患者さんの半数は発作性心房細動であり、発症から7日以内に正常な脈に戻ることが多いですが、元に戻るからと言って放置しても大丈夫ということではありません。脳梗塞の発症率は発作性と持続性で変わらないと言われていますので患者さんの背景によっては発作性で無症状の場合でも脳梗塞予防のお薬が必要となります。
心房細動の治療は、根治をせず、上手くコントロールしながら付き合っていく方法(レートコントロール)と、根治を目指す方法(リズムコントロール)の2つの方針があります。
それぞれに薬物療法と非薬物療法がありますが、レートコントロールでは、主に薬物療法により心不全の予防治療が行われることが多いです。
リズムコントロールの場合も薬物療法を用いることもありますが、カテーテルアブレーションと呼ばれるカテーテル手術を選択する場合もあります。カテーテルアブレーションは、身体への負担が少なく、短い入院日数で済むうえ、根治が目指せる治療法の1つであることから、選択されることが増加している治療法です(患者さんの状態よって効果が期待されないケースもあります)。当院ではカテーテルアブレーションを希望される場合、近隣では北里大学病院や昭和大学藤が丘病院等の専門医療機関へ紹介しております。

末梢動脈疾患

以前は閉塞性動脈硬化症と言われていましたが、現在は心臓の冠動脈以外の動脈硬化による疾患を末梢動脈疾患と称します。まだ市民の方への十分な啓発が行われていないことも医療従事者の間で議論されている状態ですが、今後耳にされる機会は増えていくのではないかと思われます。

頻度が多いのは下肢の切断の原因として最多の足の血管による狭窄ですが、血管は全身にあるため他にも脳梗塞の原因となる頸動脈や、内服薬による治療で改善しない高血圧や腎不全の原因となる腎動脈の狭窄など様々な疾患を動脈硬化は引き起こします。

全身の血管の狭窄を瞬時に評価できるような検査はまだ存在しませんが、血糖値、血圧、脂質、喫煙歴の有無などの患者さんの背景、超音波や脈波、血液検査などを行いながら冠動脈疾患や脳梗塞の予防と合わせ、発見、治療を行っています。狭窄に対してカテーテル治療が必要な場合は連携医療機関の専門病院、大学病院を紹介致します。